法曹三者、協力したり、対立したり・・・

「貴重な経験生かして」 裁判員制度 法曹3トップがPR

 平成21年5月までに始まる裁判員制度について理解を深めてもらうことを目的に、最高裁、検察庁、日本弁護士連合会の法曹三者の代表が1日、東京・内幸町の日本記者クラブで会見し、「国民が参加しないと制度は維持できない」と協力を呼び掛けた。

 「法の日週間」(10月1~7日)の記念行事として行われたもので、冒頭、最高裁の島田仁郎長官は「裁判員の職務を通じて国民も司法の活動に直接参加していただく機会ができた。もし裁判員に選ばれたなら、ぜひ仕事との折り合いをつけて貴重な機会を生かしてもらいたい」とあいさつ。

 最高裁の大谷剛彦事務総長は、「得難い経験をしたという達成感を抱いてもらえるような裁判を準備していく」と述べ、日弁連の平山正剛会長は「国民の義務が増えるだけという考えでなく、主権者である国民の権利が拡張されるというように考えるべきだ」と語った。また但木敬一検事総長は「法律に携わる人間は常に国民の視点を意識しなければならない。そういう義務を与える意味でも画期的」と制度について理解を求めた。

富山冤罪再審 法曹三者も猛省がいる

 冤罪(えんざい)で服役後に無実と分かった富山県の男性に、再審で無罪が言い渡された。だが冤罪事件の再発は、警察のほか検察官、弁護士、裁判官の法曹三者の厳しい反省なしでは防げない。

 やってもいない罪で実刑まで科した誤った裁判が正されたのは、当然である。しかし、冤罪判明から再審無罪までを振り返ると、無実の人が罪人にされる事態はもう起きない、と確信できない。

 警察の捜査が自白に頼り、男性のアリバイ、現場の足跡の違いなど証拠を無視、検察もこれを追認、起訴したことはすでに指摘されている。強調したいのは、なぜ男性がうその自白を維持したかだ。男性は威圧、誘導による取り調べや証拠でっち上げを疑わせる事実を述べているが、富山県警は具体的実情を公表せず、疑惑は残されたままである。

 男性は裁判の国選弁護人に対しても、不満を表明している。接見の回数も少ないが、被告の自白と有罪をうのみにして、情状酌量を求めたのではないか。調書や証拠の開示を要求し、その矛盾点を突いて無実を探ることはできなかったか。

 国選弁護人が費用の制約などで活動に限界があるなら、十分な弁護ができるよう制度的に保障すべきだ。私選で弁護士を依頼できない貧しい人々が、無実の罪で陥れられては、法治国家の名折れである。

 最終的に男性に間違った実刑判決を下し、服役させたのは原審の裁判所である。担当裁判官の責任は重く、言い逃れできない。

 わが国の刑事裁判は、検察側と被告・弁護側の応酬を通じ、立証を進める当事者主義の色彩が強い。しかし、刑事裁判の目的は、真実の発見である。そのために、裁判所は訴因変更や追加証拠の提出を求めることができる。

 男性は拘置尋問で裁判官に無罪を主張した。しかし起訴後の法廷で、裁判官は検察の主張に引きずられ、有罪の予断を持つことはなかった、と言い切れるか。虚心に法廷に出された調書や証拠を精査し、その上で一瞬でも男性は無実ではとの疑念を抱かなかったか。

 再審では取調官の証人尋問を退けたが、今からでも臭い物にふたをせず、冤罪を生んだ仕組みを徹底的に明らかにすべきである。

 最高検は不十分ながら報告書を出し、日本弁護士連合会も週内に調査を始める。警察庁と最高裁も徹底的な検証を行い、公表しなければならない。少なくも取り調べの全面的録画・録音の採用、責任者の公務員法による処分に踏み切らないと、刑事司法への国民の信頼は回復しない。

「裁判所が医学的知識を有しているのか疑問だ」by次席検事

弁論再開決めた裁判長に双方が異議

 札幌市で昨年9月、同居相手の3歳と4歳の女児2人を虐待し死亡させたとして、殺人などの罪に問われた無職稲見淳被告(30)の公判が10日、札幌地裁であり、島原文雄裁判長が弁論再開を決めたことに対し、検察側と弁護側の双方が異議申し立てをする異例の場面があった。

 検察側は9月、稲見被告に懲役25年を求刑、弁護側の最終弁論も終わりいったん結審していたが、10日の公判で島原裁判長は「女児の救命可能性について、双方の立証が尽くされていない」と述べ、追加立証を求めた。

 ともに「立証は終わった」とする検察、弁護側は「裁判所の訴訟指揮は裁量権を逸脱している」と異議を申し立てたが、棄却された。

 弁護側は閉廷後、「当事者が求めていないのに今になって追加の立証を促すのはおかしい」と指摘。札幌地検の長崎誠次席検事も「裁判所が医学的知識を有しているのか疑問だ」とコメントした。次回期日は11月21日の予定で、双方の主張を確認する。

[2007年10月10日21時30分]

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